老人ホームで高齢者が履く靴の選び方やポイントについて
老人ホームではベッドで休む時以外は靴を履いて過ごすことになるため、入所している高齢者は外出用とは別に室内用の靴を用意する必要があります。ただ室内用の靴をどのように選べばいいのかわからないという人も多く、スリッパなどで過ごしている人も少なくありません。
そこで今回は、老人ホームで高齢者が履く靴の選び方やポイントを解説します。
老人ホームで用意する靴の種類
老人ホームに入所する際、高齢者が普段生活するために用意する靴には3つの種類があります。まず必ず必要となってくるのが、室内用の靴です。老人ホームは自宅や一般家庭と異なり、複数の人たちが出入りしています。そのため床は砂などで汚れやすく、素足や靴下のみで過ごしていると怪我をしてしまう可能性があります。
場合によっては素足での移動も歩行訓練につながりますが、床の冷たさで足だけではなく体を冷やしてしまう危険性があるため、基本的には素足で過ごすことは避けるように指導されているのです。また高齢者は背中が丸まるなど姿勢が悪くなっていることが多く、すり足での歩行や腕の振りが小さくなるなど転倒のリスクが高くなっています。
このため、転倒を予防するという意味でも室内靴を用意しなければいけないケースが多いです。参考サイト>ウチシルベ > 介護ホームズ
室内靴以外に用意する必要のある靴の種類としては、外出する時の靴があります。こちらは普段履き慣れているものを用意する人が多いですが、老人ホームの立地によっては転倒予防を意識したものを選ぶことも必要です。ほかには老人ホームによっては、室内での運動をする際に転倒しないよう、運動用の靴を用意してほしいと言ってくるところもあります。
場所によっては必要ないと判断されることもありますが、基本的に老人ホームの入所に向けて用意する靴の種類としてはこれらの3つが挙げられています。
老人ホームで避けた方がいい靴の種類
老人ホームで普段利用する靴は、高齢者が履き慣れたものを持ってくる家族が少なくありません。実際に履き慣れたものを使うことで靴擦れなどを予防することができますし、高齢者自身も履き慣れた靴の感覚で歩くことができるというメリットがあります。
ただ靴の種類によっては転倒するリスクが高まってしまうため、避けた方がいいと言われているものもあるのです。例えばスリッパは履きやすさから利用している高齢者も少なくありませんが、足腰が弱くなっている高齢者が利用すると滑りやすく転倒するリスクが高くなります。
滑り止めなどがついているものであればある程度安全ですが、できる限り避けた方がいいと考えられているようです。またスリッパだけではなく踵のない靴は、足首を支えられずに転倒してしまうリスクがあります。ほかにもヒールの高いものも足首を支えられずに姿勢が不安定になる危険性が指摘されていますし、足先の狭いものだとすり足で歩行しやすい高齢者は躓きやすくなります。
このように普段履き慣れているものであっても、いくつか避けた方がいい靴の種類や特徴がある点を理解しておくことが必要です。
老人ホームで利用する靴の選び方
老人ホームで高齢者が安全に利用できる靴の選び方には、いくつかのポイントがあります。例えば革製などの重い靴よりも、布製の軽い靴の方が筋力の弱っている高齢者にとっては安全です。また踵周りはある程度の硬さを持っていた方が足首を支えやすく、姿勢が悪い高齢者の妻付きを予防することができます。
ほかにも靴の着脱が難しいものは、動作の最中に前のめりに転倒してしまったりうまく履けずに踵を踏んでしまう可能性があります。そのため靴紐を使用したものよりも、足の甲の部分が広くてマジックテープやファスナー付きのような着脱が簡単にできるものの方が良いです。
さらに滑り止めがついているようなものを選ぶことで、すり足で歩行する高齢者のつまずきを予防することができます。滑り止め機能は単純につまずきを予防できるだけではなく、歩き出しをサポートしてくれるという意味でも重要な選び方のポイントとなっています。
老人ホームでは介護用の靴がおすすめ
このように老人ホームで利用する靴の選び方にはいくつかのポイントがありますが、市販されている靴の中からポイント全てを満たす靴を探すことが難しいという人も少なくありません。そのような人におすすめだと紹介されているのは、介護用に販売されている専用の靴です。
介護用の靴は高齢者が歩きやすい構造となっており、転倒予防目的で作られているところが特徴とされています。そのため老人ホームで生活する高齢者はもちろん、自宅で生活している高齢者の外出用の靴として利用されていることも多いです。
介護用の靴は介護用品を販売しているお店で購入できるほか、インターネット通販でも購入することができます。
場合によっては市販されている靴の中にも、高齢者のサポート用として介護靴に近いものが販売されていることも増えてきているようです。このため介護用品の専門店が近くになかったりインターネット通販で見つけられない場合は靴を専門に取り扱っているお店を探してみるという方法もありです。
老人ホームをすでに利用していてなかなか外出ができないという場合は、介護用品のレンタルをしている業者に連絡をすると施設まで靴を届けてくれる場合もあります。
老人ホームで利用する靴を選ぶ際の注意点
老人ホームで利用する靴を選ぶ際に注意するべき点として挙げられているのが、高齢者の状態に合わせたものを利用することです。選び方のポイントで挙げたように、基本的には転倒予防のために滑りにくいものや履きやすいものを選ぶことが必要となります。
ただあまりに滑りにくいものを選んでしまうと、高齢者の歩行状態によっては逆に転倒を誘発してしまう恐れがあるのです。このため高齢者の歩行状態や姿勢に合わせて、どの程度の機能が必要になるのか見極める必要があります。
また靴のサイズに関しても、小さすぎるものや大きすぎるものは転倒のリスクが高いです。そのため、きちんと高齢者の脚のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。
老人ホームでは安全に過ごせる靴を提供することが大切
老人ホームは基本的にフローリングの床が多く、過ごしている人が多いことから素足ではなく室内靴を利用するようになります。ただ高齢者の場合はすり足での歩行や姿勢の悪さ、筋力の低下など転倒のリスクが高い人が少なくありません。
そのため高齢者の歩行状態や姿勢の状態に合わせて、できる限り転倒リスクの少ない介護用の靴を用意することが大切です。